電子書籍、みんなもやってみたらどうか
いまも自分用に技術的な内容をブログに書いてまとめてあります。意外と自分用にまとめたのに結局その記事自体が見つけられなくて検索したりするんですが、ふと思い立って電子書籍にしたらiPhoneで持って歩けて便利なのではないかと考えまして。
そこで、ブログに書いてたものやスライドにしていたものをかき集めて電子書籍にすることにしました。
読んでみてわかったこと
いざやってみると、いろんなことに気づきました。ブログにまとめてたつもりが、まとまってない。そうなんですよ。まとまってないんです!!
だから集めてきてコピペしてマークダウンにしてみたものの、記事を読み返してみると次のようなじぶんの特徴に気づきました。
- 意味がわからない
- 表現が回りくどい
- リンクが「これ」となっていて具体的にどこに飛ぶのかわからない
- 引用している箇所が適切でない
- 画像が大きすぎたり小さすぎたりする
- 内容が古いままだったりする
歌をうたったものを録音して聞き直すと「やめて!」となるアレと似た雰囲気で、とても辛いものがありました。でも歌なんかと同じで、こうしないと上手にはならないんでしょうね。
電子書籍にするときに調べたこと
わたしはブログもマークダウンで書いているので、マークダウンからepub3が出力できるものを探しました。MacのPagesもepub3にできるのですが、さすがにマークダウンでは書けないので…
結局のところ有名な「でんでんコンバータ」にたどり着きました。マークダウンで書くことができますし、何より「でんでんマークダウン」やエディタも装備されてました。プレビューできるのもすばらしい。カスタムCSSを貼っておくと、プレビューに反映してくれるのでコードスニペットのハイライトにも使うことができました。
おかげさまで久しぶりにrubyでスクリプトをちょこっと書いたりしました。
電子書籍にしたことでわかったこと
でんでんコンバータにアップするだけでepubにできる!すばらしい!楽チンだぜ!と思っていたのですが、ここでも何度もアップする羽目になってしまいました。
- スタイルの確認はプレビューで実際に見てみること
- マークダウンは章ごとにファイル分割しておくこと
- カバー画像はきちんと丁寧につくること
- 設定できる内容は全てddconv.ymlに記述しておくこと
スタイルの確認はプレビューで実際に見てみること
まず1なんですが、マークダウン記述にHaroopadを使っていまして。なんとなくいい感じにスタイルが付いているので記述だけしていました。ところが、でんでんコンバータで変換したepubのプレビューを見てみると、表組みはスタイルがついていないので罫線すらないですし、引用されたところも引用文なのかどうかわからないですし、といった有様でした。さらに致命的なのはデバイスやビューワーアプリによって文字サイズがまちまちに表示されてしまうことがわかりまして。
特に最悪なのがiPhone用のiBooksとKoboです。文字サイズが大きすぎてページ数がやたらと多いということになってしまっただけでなく、フォントなども指定しなかったので読みづらくて仕方ないというものになってしまいました。
カスタムCSSでプレビューできるのはそういうことか、とそのときになって初めて気づきまして、唐突にスタイルシートを書き始めるということになってしまいました。
マークダウンは章ごとにファイル分割しておくこと
次に2なんですが、最初は記事を集めてきて章立てで分割していたつもりでした。しかしファイルが1つになると明確な改ページを入れない限り、論文かのごとく文章がずっと続いてしまうのです。しかも後から考えてみればepub内ではhtmlになっているので、1ファイルが大きくなれば読み込みも時間がかかるのではないかと。
結局は章ごとにマークダウンファイルを分割してアップロードしました。複数アップロードが前提のサービスなので、分割しておいたほうがいいです。また、ファイル名も章が先頭から順番に並ぶようにファイル名のあたまに数字で「01_」「02_」というようにサフィックスしておいたほうがいいと思います。
カバー画像はきちんと丁寧につくること
これも自分だけ見れたらいいやーと思ってものすごく雑な画像を用意したのですが、iBooksやKoboなどライブラリで表紙画像が並ぶとシャレオツな中に雑な本ということで、公開処刑的な感じになってしまいました。割と辛いですし著者名にじぶんの名前を入れてると余計にダサ感がアップします。
なんでもいいと思いますが、心が強くない方はGIMPとかでもいいのできちんと作ることをお勧めします。
設定できる内容は全てddconv.ymlに記述しておくこと
これもでんでんコンバータのチュートリアルとかチップスに書いてあることなのですが、あらかじめこのYAMLファイルに必要なことは記述して一緒にアップロードしたほうが便利です。
BookIDとかよくわからないし、となったらとりあえずUUIDを入れておきましょう。チュートリアルだったかのサンプルでは小文字で書いていますが、大文字でも問題ありませんでした。Macなんかの方はターミナルアプリからコマンドでuuidgen
とすれば生成されます。これをコピペすれば大丈夫です。
そのほか、目次を自動生成してもらうと見出しの1〜6までが初期設定では目次にされてしまって、目次だけで数ページ使ってしまうという恐ろしいことになりました。もう章立てくらいでいいや、という方は1に設定を変更したほうがいいと思います。
さらに表などへのリンクも生成できる設定ができるのですが、表組み(tableタグ)に名前をつけておいたほうがよさそうです。自動だと得体のしれないリンクが出来上がってしまって余計に訳がわからないということになってしまいました。
最後に
結構幅広くいろいろできないと「思い通り」にはならないことがわかりまして、いまは反省しています。でも今回の経験によっていろんなものの見方が変わりそうだな、と思いました。
たとえば本の表紙だったり、タイトルのつけ方、大きさや位置なんかもパッと埋もれないように見せるにはどうしたらいいかという観点が増えてしまいました。小見出しのわかりやすさも「これから何を言おうとしているのか」がわかるようにするにはどうしたらいいか、とかですね。
カバー画像だけでなく、デザインとしてのスタイルシートの使い方など実際の書籍ではどうなっているか、デバイスによって見せ方をどうしたらいいかなど考えることが増えまくりです。
もう少し練習して、ネタ帳的なものを電子書籍で配布するというのもいいかもしれないなと妄想しておりますが、そういった公開や共有の仕方はまた別の次元の話ですね…精進せねば