快適な執筆環境としてのGitBookはイマイチ使いづらい
今回は久しぶりにTyporaでエントリを書いている。それは、あまりに同じものばかりつかっていると飽きてしまうし考えることも狭くなると考えているからだ。ということで、今回はTyporaだ。
以前からGitBookで少しづつPowerShellの入門書を書いてはアップしていたのだが、いまは停滞している。というのも、すでにPowerShellに対して特別視するほどの情熱がなくなっているからだ。いまとなってはVBScriptと同格に考えられるくらいにマルウェアとして活用されてしまっている。WSHと同様、PowerShellもWindows操作という面ではパワフルすぎるのだ。
さらに、GitBookの専用エディタをつかって書いていくと、あまりに高機能すぎて嫌気がさしてくる。日本語の見出しをつけようと思うとおかしなことになるので、一度英語でつけて(これがファイル名になるわけだ)ファイルが確定してから日本語に変更するというオペレーションも信じられないほど面倒に感じるようになった。そういうことなら1ファイルでずっと書いていったほうがいいんじゃないだろうか!?と勘違いしてしまうほどだ。もちろん、分割したほうが後々の推敲で便利なので分割せざるを得ないのだが。
GitクライアントとしてのGitBook
保存ボタンを押すと、自動的にコミットされる。コミットメッセージを書くことすらできずにコミットされてしまう。あとから別の方法でメッセージをつけなおすことを考えたらVS Codeで書いたほうがいい。CLIのGitBookは便利だし、これで手元にローカルGitBookサーバーを立ててプレビューできるのでいいのだが、編集はお好みのエディタでやったほうが絶対にいい。
ePub作成のためのGitBook
GitBookでもePubを出力することができる。もちろんTyporaでもできるが、それは同梱されているPandocのおかげである。Pandocなら自前で用意することもできるうえ、オプションをつければコードハイライトも自動でやってくれる。お好みの配色というものがあると思うが、電子書籍リーダー(特に白黒のもの)次第なのであまり凝った配色にしてもほとんど意味をなさないどころか、かえって読みづらくもなる。標準のもので出力するのが一番よいとわたしは考えている。
導入についてもPandocだとインストーラでWindowsでもインストールできる。一方でGitBookはCLIをインストールして、そのうえで必要になるライブラリもある。ePub形式にするところを自動化することを考えているのであれば非常によい選択肢なのだが、ちょっとやるにはヘビーすぎる。Pandocだと基本的なオプションさえ覚えておくかバッチファイル、シェルにしておけば簡単にePubにできる。
pandoc -f markdown -t epub3 chapter1.md -o sample.epub
kindle用にmobiにしたい?してもいいが、Amazonで出版する分にはmobiにする必要は一切ない。Word、PDF、mobiのほかにePubもOKだ。どうしてもmobiに自動的に変換したいのであればGitBook CLIで一撃だ。逆にPandocでepubにしたものをmobiにするならkindlegenツールをつかうとやってくれる。Microsoft Edgeが先日のWindows10のCreaters updateでアップデートされ、ePub形式が関連付けされた。正直言って、手元のkindleへ送る必要がなければこれで十分すぎるだろう。
クライアントアプリとしてのGitBook
とりあえず面倒に感じてしまう。このクライアントアプリはElectronでできていて、Windowsでもmacでも動作する。それに中央リポジトリとしてGitBookが存在するので、認証しさえすればどこでも同じ環境で執筆することができる。ただし、動作は快適ではない。どうしても性質上、オンラインでいる必要がある。完全にオフライン環境で執筆できるほうが快適だ。そう考えればお好みのエディタでオフラインであっても、執筆してGitBookへコミットだけするというほうが使い方としては妥当だ。
はじめてGitBookで出版したいと思っているなら
Amazonや楽天Koboなんかへ出版するようなものでもない、マンガなんかでもない、そうなったらホスティングして・・・ということを考えるかもしれない。GitBookはホスティングしてくれるので特に考えることはない。しかも見た目はインストールを少しがんばればローカルで確認することもできる。
そうは言っても、ホスティングするだけでは読んでもらうことができない。自身のSNSやブログなどで本へのURLを貼って、流れ込んでもらえるようにしたほうがいいだろう。Trafficでどのくらいのひとが読んでくれているかが少しはわかるようになっている。お金にしたいのであれば、間違いなくGitBookではなくepubなどへ出力してAmazonのKDPへ登録したほうがいい。さらに、他へ出版したことがない、あるいはしない本であればKDPセレクトに登録することができる。こうするとロイヤリティが7割になるうえ、読んだページ数に応じて売りあがるようになる。
GitBookを利用するのであれば、無償提供するつもりのものにしたほうがいいだろう。
他にないのか
使いにくさという意味では個人的にはトップレベルなのだが、ブクログのパブーというサービスがある。このサービスだとGUIでマークダウンなんて知らなくてもブログエディタのようなエディタも用意されているし、そのままパブー内で配信することもできる。そして、有料にすることもAmazonなどへ出版することもできる。ブラウザだけで完成させることができるので、何にもセットアップしたくないという場合には大変おススメだ。いつのまにかkindleへ送信できるようにもなっているので、さらにいいかも。
他にもいろいろあるが、どうしたらいいか迷ったらテキストエディタを探さないでMS WordかGoogleドキュメントで作成したdocxをKDPへアップするか、macのPagesでePubやPDFに書き出しができるのでそちらをアップすればいいだろう。ブログの出版サービスを使うというのもひとつの選択肢だ。
いずれにしても、無理しないことだ。やりたいことだけに注力したほうがいい。
Kindle (Newモデル) Wi-Fi、ブラック、キャンペーン情報つきモデル、電子書籍リーダー
- 出版社/メーカー: Amazon
- 発売日: 2016/07/20
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (2件) を見る
専門知識がいらないKindle電子書籍出版マニュアル2017 年度版
- 作者: 深澤四朗
- 出版社/メーカー: 電子書籍出版工房
- 発売日: 2017/02/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 出版社/メーカー: Amazon
- 発売日: 2015/09/30
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (30件) を見る