ふんわりした生活

本を読んだり仕事でやってみたことなどの日常から、ふんわりと気づきなどを書いていきます

VBAの代替ソリューションになるはずだったLightSwitchって知ってますか

ご存知の方は遠い昔、もう4年くらい前にネットの記事で紹介されている、あるいはIT関連の情報誌で見掛けたことがあるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。 わたしも、実はさっき思い出しました。

LightSwitch

正式には「Microsoft Visual Studio LightSwitch」という製品です。 どんな製品かというと、開発環境です。

どういった類のものかというと、簡単にWebアプリを作ることができるので「ほら、もうAccessExcelVBA組まなくてもいいでしょ?配布もいらないよ!」というものだったようです。

「だったようです」というのは、使ったことも実際に目にしたこともないからです

日本語情報の少ないこと、少ないこと。

さっきググってみたところ、ほとんどが英語のサイトしか出てきませんし具体的に活用している事例もあまり見つかりませんでした。 日本語情報だとどんなものを作っているかは見当たらず、紹介するものばかりでした。

しかも最終更新が2011年頃のものばかり。

なんだか業務用のクラウドアプリが簡単に構築できるしという内容だったと思うのですが、調べが不足しているのかもしれませんと思うしかないような。

それでも、LightSwitchを推している方も見かけたのでまったく使われてないわけではなさそうです。

Community Edtion

このLightSwitchですが、有償の製品です。 しかし個人や学生はCommunity Editionで無償利用できるようなのです。

LightSwitch の開発環境

このページを見ると、Accessでフォームを作るよりは簡単?に見えなくはありませんが、無償でないと学ぼうという気分になりませんしVB.netのコードがちょこっと見えてるのでGUIだけで操作できると一般の事務職の方も触りやすいような気がしてきてしまいます。

セールスフォースのForce.comも昔使ったことがありますが、あれだと事業部門の方が直接ブラウザから見た目をコントロールしていたので、あれよりはVBA、場合によってはVisual Studioすぎるのかもしれません。

開発者にとっては普通に書いた方がフレームワークなんかの恩恵が得られて早いなどという身も蓋もないようなことがあるかもしれません。 つまりは、活躍する場があまりなさそうなのです。

日本におけるLightSwitch

個人が利用するVBAマクロは、あくまでも1〜3名くらいまでの小さな集まりで利用されていて、クラウド上になんてとんでもないという感覚なのではないかと思います。 しかも、データもクラウド上に置くことになるので暗号化など情報セキュリティについての施策が必須になります。 そうなると、個人が便利なのでちょこっとという使い方はあり得ないかもしれません。

逆に、部門部門をまたがった大きさの業務になると管理部門も情報システムとデータのそれぞれに、マーケティング担当部門なんかも登場するのでそんなに簡単に導入できないでしょう。 「がばなんすが云々」など、そういう理由が言われるような気がします。

中間どころとしては小さい企業や個人事業なんですが、そこまで小さくなると今度は保守運用していくコスト(労力、人的資源など)が高くつきすぎるので、月額いくらのクラウドサービスや下手するとGoogle Docsでも十分すぎるソリューションだと思います。

もうこのサイズになるとOfficeスイートですら高価だと思うところはありますし。

そうしたらGoogle Appsも競合してますしOfficeそのものとも競合してます。 そのほかのクラウドグループウェアとも競合してて、しかも自分で作らないといけない。 そこまでは余裕がないと思います。

さらなる競合

さらに追い討ちをかけたのはiOSデバイスなどでしょう。 ここまで普及してくると、もはやPCでブラウジングなんて業務中にしないですし、iPadなんかで見せた方が見栄えもいいですし。

こうしたことを受けて、かどうかはわかりませんが本日早朝から始まった「Microsoft connect(); // 2015」というイベントでは見かけないようです。

代わりにMicrosoftが開発、販売している開発環境Visual StudioWindowsだけでなくMacLinuxも、iOSAndroidも…ということになったのでなにか別の道を探さないと製品としては死を迎えてしまう予感がしています

janvanderhaegen.com

一方VBA

これもまた、死にゆく運命なのは間違いありません。 Officeスイートも徐々にクラウドソリューションに変貌しつつあって、VBAからの操作だったとしてもWebAPI呼び出しをするようになってきつつあります(OneNoteなど)。

こうして、ライトユーザーとソリューション開発者の隔たりは予想以上に大きくなっていくのかもしれません。

それはそれで、大きくなった溝を埋めるための新しいソリューションが登場するかもしれませんので(要求があれば、でしょうけど)楽しみではあります。