いろんなことに値付けするの難しくないですか?
今朝、ふと思ったのでエントリーしました。
値付けとは
値付け(ねつけ、ねづけ)とは商品に値段をつけることです。最近のわたしだと電子書籍に値段つけました。「なんだ商品に値段なんかつけねーよ」と思うかもしれませんが、広い意味に捉えると普段からみなさんしてますよね。
日常の値付け
たとえば、一番多いのは何か買い物をするとにき「高いなぁ」と感じて購入を躊躇するときです。これ、値付けしてますよね。自分の中の基準に照らして、その商品に対する「このくらいの値段」というのを決めてつけています。それと比較したときに他人がつけている値段で購入する必要があるとき、「高いなぁ」と思うわけです。
労働してるとしてしまう値付け
わたしがサラリーマンだった時代、いわゆるSIerだったりプログラマだったりしたときは「人月単価」というもので動いておりました。一人が一ヶ月作業するために必要な単価です。作業量でもあり、それに値付けしてるわけです。また、オペレーションしたり相談に乗ったりという頃には時間単価の時代もありました。一時間あたりの単価を決めて、作業したり相談に乗ったりです。そうなると、変なことがおきます。
「きょうは6時間作業したから◯◯円くらいだな」という感覚です。これにさらに利益率がわかってたりするので、どのくらい利益が出たかわかるわけです。これが、変なんですよね。さきほどお話したように、電子書籍の値付けをするときに最初に考えてしまったのが「1日あたり◯時間かかって、それを◯日間やったので◯円くらい?」という値付け方法です。これは非常にマズい考え方でして、作業量と書籍の価格を同等に扱ってしまっているのです。
それの何がマズいかというと、わたしがサラリーマン時代のときは商品が「わたしが行うサービス」だったわけですよ。しかし、今回は個人が出版する電子書籍です。信頼性や評価など、あらゆる面で作業量は価格に比例しません。だからこそ、マズいんですね。
我が家でも起きてます、値付けのズレ
両親世帯と暮らしているので、我が家でもよく耳にしてしまうのが上述したような値付けです。
わたしの父は自営業でして、母は食品会社に勤めているパートタイマーです。父はノルマに対して成果をあげることで売り上げがあがります。母の場合は工場なので時間で給与が支払われます。つまり、彼らの作業に対する値付けは根本的に異なります。
しかし、母から見ると午前中はのんびり新聞読みながら過ごしている父を見ては「何もしていない」ように見えます。しかし、父のほうが圧倒的に家庭に入れているお金は大きいのです。これは母が時間で支払われるタイプの値付けをされているためで、母の作業時間が商品ということになります。このため、存在している時間枠の中を埋め尽くして始めて「価値がある」のです。一方、父のほうはその必要がありません。父があげる成果だけが商品だからです。よって、時間は有効活用したほうがよいわけです。作業で埋め尽くす必要は皆無です。
この値付け方法の違いに母が気づかなければ、ずっと勘違いをしたまま暮らさなければなりません。大丈夫かな?
値付けは難しいですよね
「高い」と言われるものって「何」と「どう」比較しているかによって全然評価が異なってきます。あるいは「なぜ」がわからないけど「なんとなく」評価してしまっているものがあるでしょう。
ニュースなんかで報道されているものを個人的に勝手に評価するとこんな感じでしょうか。
商品・サービス | 高いと評価される理由 |
---|---|
野菜 | 食費にかけることのできる金額に比較して |
介護費用 | 労働していない人間に割くことのできる金額に比較して |
通信費用 | 会話に割くことのできる交際費としての金額に比較して |
教育費 | 成長後に得られる対価が見合うか不明であるため |
外食費用 | 自炊したときの金額に比較して |
税金 | 残高に占める割合と比較して |
まず野菜は食費に占める割合から計算して値付けしているんですね。だから毎日使う種類の野菜ほど割高に感じるでしょう。しかし農家の方も利益を出さないと野菜を供給しつづけることができないでしょうから、相場の上下があるのだと思うのですが。
次に介護費用です。厚労省なんかが一人当たりの給付金額とか調査結果を公開していますが、ご覧になったことありますか?20万くらいでしょうかね。わたしの住む大都会岡山では19万くらいのようです。トップは沖縄県だったかな?40万近かったと思います。実際、それが「高い」か「安い」か「適正」かはわかりません。バイトせずに19万くらいの生活費だと考えると高いかもしれませんが、自分で動くことができない方を移動させてくれたりご飯を介助してくれたりということを考えると、どうなんでしょう。
それから通信費用も各社「安く」と言っていますが、そんなに安いわけでもないと思います。だれかが安く使うことができたとしても、全員ではないでしょう。設備投資もしていただきたいですしね。
教育費が将来への投資になるので不安を煽ることでの値付けかもしれませんし、適正かもしれないよくわからない価格です。しかし意外と出す方は出すので、よくわからないものです。特にこどもへの教育費は競走馬でもないのにベットしちゃうんですかね。とはいえ、これまた介護費用と同様に言えなくもないのでわかりません。
外食費用もえらく安いところや逆にやたら値段の張るところとピンキリです。安いところは「作る手間」なんかとも比較したりするのですが、その手間や時間を買うことで失うものがお金以外にもあるかもしれませんので、なんとも。
最後です。税金ですね。これは商品ではないと思います。サービスでもありません。でも最終的にはサービスに変わる可能性のあるものです。ある意味で国や地方自治体への投資なのかもしれませんが。税金はよく読めば計算方法が公開されているので「高い」と思う方は自分で計算してみるか免除制度があればそれを利用するべきでしょう。計算方法の根拠とか言い出すと難しそうなので「高い」と言うだけになってしまいますけどね。
さいごに
わたしも結局のところ電子書籍には「なんとなく」で値付けして販売しています。おかげさまでまったく売れませんが!!!
商品のあり方、どういうものか、どういうタイミングで使われるものか、いろいろなパラメータが多いことが難しくしているのかもしれません。また何か思いついたら値付けについて書いてみたいと思います。